「万国津梁」とは、沖縄を象徴する言葉かもしれない。

鐘に彫られている233文字の銘文。その中に「万国津梁」という4文字を見つけられるだろうか。その内容は「琉球王国は南の海にある蓬莱の島で船を万国の架け橋にして貿易によって栄える国である」ということ。海洋国家としての気概が謳われている。この鐘の正式名称は「旧首里城正殿鐘」。その名の通り、かつては首里城の正殿にかけられていたと考えられる。

この鐘が作られたのは1458年。琉球王国が、各地との貿易に精力的に取り組んでいた頃のこと。当時の国王が京都の禅僧に依頼したこの銘文は、国内の平和を願い、琉球の繁栄した様子を格調高く表現している。中国大陸、朝鮮、日本そして東南アジア諸国。それらの中継地点に位置する琉球王国には各国の宝物が持ち込まれ、異なる文化が融合されて、独自の文化が育まれていくことになる。

それにしても、ほかの鐘と比べて色が黒ずんでいるのは何故だろうか? 実は、この鐘は沖縄戦の激戦地、首里城にありながら戦火をくぐり抜けた。この鐘が銃弾を浴びながらも原型を留めたのは奇跡。琉球王国の最盛期から今に至る沖縄を見守ってきた貴重な文化財といえる。

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