Destination:サキタリ洞遺跡・港川遺跡

発見とは実は些細なことから始まるのかもしれない。港川人1号の化石を発見したのは、実業家であり、化石に興味をもっていた大山盛保さん。大山さんは自宅の庭石として石灰岩を購入した際、その中に偶然イノシシの化石を発見した。動物の化石が見つかるのなら、人の化石も見つかるのではないかと考えた大山さんは、石灰岩の出所を突き止め、港川の採石場にたどり着く。そして仕事の合間に家族や社員とともに採石場で熱心に発掘作業を進めること3年、ついに完全な頭骨を含む港川人の骨格を発見したのだ。自力で世紀の大発見をやってのけた大山さん、その情熱は研究者顔負けのものだ。

博物館には遺跡から見つかった様々なモノが展示されているが、遺跡そのものを展示することはできない。だからこそ現地にも足を運んでみてほしい。たとえば大山さんが人骨を発見した「港川遺跡」や、港川人に関する展示が充実した八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館。その近くには今も博物館が中心となって発掘調査が進められている「サキタリ洞遺跡」がある。サキタリ洞遺跡からは、旧石器時代の人骨とともに、モクズガニの殻がたくさん見つかっている。数十年前まで近隣の人々はサキタリ洞周辺で食用にモクズガニを捕っていたそうだから、港川人も同じようにモクズガニを捕まえて食べていたのかもしれない。


現在、サキタリ洞遺跡はガイドツアーコース「ガンガラーの谷」として公開されている。ツアーではガイドを聞きながら港川人も歩いたに違いない石灰岩の谷間をめぐることができる。はたして、港川人はどんな環境で生きていたのか、実際にその舞台となった場所で想像をふくらませてほしい。

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