目の前の流れは奥に見える滝から流れ出たばかりで、水はとても澄んでいる。流れの中には渡るのにちょうどいい沢飛び石がひとつ、ふたつ。しかし踏み外せば靴が濡れてしまいそうなほど浅く据えられている。
渡りにくい沢飛び石ではなく、石橋を渡してしまった方が安全で合理的ではあるが、あえてこのようになっている。通る人の注意を足元に集め、視線を水に向けることで、体全体で躍動的な流れを感じるデザインなのだ。
流れから邸宅を見ると、まるで山あいから古き良き田園風景を見ているよう。同じ庭を見ているのに、先ほどとは全く違う印象に驚くはずだ。