「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ」
これは、民謡である伊勢音頭で唄われている有名なフレーズ。尾張の名古屋は、名古屋城のおかげで繁栄しているという意味だ。繁栄を極めたこの名古屋城。その歴史は、徳川家康が慶長20年(1615年)に建てたことにはじまる。
この荘厳な城には、代々の尾張藩主が暮らし、藩内の治政を司っていた。この名古屋城の城下町では、それまで武士のたしなみであった茶道が町人にまで広がり、名古屋には今でも茶の湯の愛好家が多くいる。その原点となる名古屋城で、茶の湯はどのように嗜まれていたのか。本丸御殿、二之丸庭園、そして御深井丸を巡りながら紐解いてみよう。