さて、ここに不自然な「線」がある。が、不自然なのは現代の道路のほうだ。この線はかつての「朱雀大路」を示しているのだから。
朱雀大路といえば、平城京や平安京にもある都のメインストリートの名前。この朱雀大路もまた太宰府の中央を貫くメインストリートで、道幅36m、長さ1.5kmの大通り。その両脇には碁盤の目の町が広がり、外国からのお客さんを迎えいれる「客館」など、さまざまな建物が建ち並んでいた。
榎社にあった道真の住まいは「南館」と呼ばれていたのだが、では、この朱雀大路をまっすぐ北に進むと何があるのか。その答えと言える場所は現在も残されている。