旧石田理吉家は1937年に建てられた、木造3階建ての住居である。この石田家で婿をむかえることになった折、建てられたのがこの建物、なんとすべてが来客用だというから驚きだ。
旧石田理吉家の1階は和室、2階に洋室と和室、3階は大広間となっている。
1階の和室には、紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)、黒柿(くろがき)など和風建築の高級建材がふんだんにあしらわれている。今ではこれほどの材料を入手すること自体が困難な、希少な素材ばかりである。
さらにこの和室の床の間、ほんの少し湾曲しているのがお分かりだろうか。これは、遠近法で少しでも室内を広く見せるための工夫だといわれている。