2階は和室と洋室のふた間である。洋室の床面は箱根細工、折り上げになった天井など、当時の和洋折衷の趣向を凝らしたつくりを感じていただけるだろう。2階の洋室のガラスやカーテンボックスなどはすべて特注で、当時の面影を今に伝える。和室と洋室では欄間、壁、天井や廊下、窓際の手すりに至るまで明確に和風と洋風につくり分けられており、細部まで入念に設計されているのがわかる。

石田家は代々酒造を営み、後に医院も開業、また町長も輩出した名家。文化人との交流も広く、館岡栗山など著名な画家の作品が残されている。また、「日本資本主義の父」と呼ばれ、2024年以降の一万円札のデザインに採用された渋沢栄一の書なども収蔵されており、政財界の要人とも交流が深かったといわれている。

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