あがりとは太陽が上がる方向、つまり東のこと。東のアザナは首里城の中でも、もっとも高い場所にあり、ここからは首里城を囲む城壁の曲線美を堪能できる。
首里城に限らず、沖縄の城壁は日本の城壁と違って、うねるようにカーブを描いているのが特徴。万里の長城しかり、中国や朝鮮半島には地形の起伏を活かしながら、うねる城壁が見られるため、おそらくは大交易時代にアジアからこの技術が入ってきたと考えられている。
カーブ状の城壁は、敵が攻めてきた際に側面から観察し、迎撃できるため防御力が高い。加えてとにかく美しい。首里城では、「隅頭石(すみがしらいし)」といって、城壁が折れる角をただの曲線で納めることをせず、あえて天を指すかのようにつんとさせている。定説はまだないが、これも琉球の美意識を示す1つと言われている。
首里城の城壁の石積みには主に2種類の方法が採用されている。ひとつは石を四角く加工して積みあげる「布積み」と呼ばれる方法。もうひとつは、石を5角形や6角形に加工し、互いにかみ合うように積む「相方積み」。布積みよりも、相方積みの方が、石の加工や組むのに技術が必要とされ、また丈夫な城壁となるため、新しい方法だといわれている。見比べてみてほしい。