「わたしがかわれば、せかいがかわる」という、ひらがなの紙が非佛堂に置いてあります。これを、ここでやってみましょう。
写経とは文字通りお経を書き写すこと。今日は邪心を捨てただ「書く」ことのみに没頭し、日常生活の中で浮かぶ雑念をなくして、いわゆる「写経三昧」となるその妙味を体感してほしいと思います。
それでは書いてみましょう。ただ、一つのことに意識を向けて。
実際にやってみて、どうでしょうか。字を書くと心の様子があらわれます。集中力が足りないのか、落ち着いていないのか、途中で雑になるかもしれません。写経には自分の心を鏡のごとくうつしてくれるところがあります。最初はきれいで、途中で雑になって、また最後にきれいになる。中だるみする方も多いです。しかし、ベテランの方は最初から最後まできれいな字で書ける。意識が途切れない。最後までしっかり没頭できるのですね。
あなたも、日々の生活の中で写経する習慣を続けてみてください。そして、ときに自分の心を字にうつして確かめてみてください。