あなたは縄文時代について、どれくらい知っているだろうか。
縄文時代とはおよそ1万5000年前から3000年前まで=縄文土器の誕生から稲作がはじまるまでの時代のこと。では、縄文土器の何が凄いのか。縄文土器が何に使われたのかを、あなたも考えてみてほしい。
たとえば、煮炊きである。これが当時は画期的な発明だった。煮込むことで固くて食べられなかったものが食べられるようになり、アクなどの有害物質も取り除くことができ、栄養を効率よく体内に取り込めるようになったのだ。
縄文土器ができるまで、ヒトは他の動物と同じように食料を探して食べて消化することに多くの時間を費やしていた。しかし、縄文土器を発明したことによって、ヒトは大量の時間を手にしたわけである。それによりストーンサークルを作るなど祭祀儀礼に時間を費やすことができるまでになっていったわけだ。
《縄文時代の意外な事実》
・竪穴住居を建てていた。つまり、既に定住をはじめていた。そして、集落を築くようになっていった。
・海を渡り他の集落と交易をしていた。石材などが各地に伝わり、集落と集落を結ぶための結婚も行われたかも。
・ドングリ・クルミ・クリ・トチなどの木の実をはじめ、肉や魚も食べていた。果実酒を作って飲んでいたという説も。
・建材にもなるクリの木を栽培するなど農業に近いことをはじめていた。さらに、漆を煮て漆工芸もはじめた。
・まるでアートのような縄文土器や土偶、ストーンサークルまで祭祀儀礼を中心とした精神文化が発達した。
「伊勢堂岱遺跡」と「大湯環状列石」が作られたのは縄文時代の終わりごろ。今からおよそ4000年前の話である。当時の人たちはどんな暮らしをしていたのだろう。そして、ストーンサークルを使って何をしていたのだろう。実際に彼らと同じ地面に立ち、想像をふくらませてみよう。