ナマハゲのモデルは、海から流れ着いた異邦人であると伝える地区もある。漂流した外国人が流れ着いたのは、門前地区の奇怪な岩が並ぶ海岸であったと言われている。確かに、門前やその周辺の地域の面を見てみると、面長でどことなく西洋人のような顔立ちをしている。五社堂の999段あるという石段は、流れ着いた異邦人の技術者が造ったとする説もある。

一説によると、海岸に打ち上げられた怪物のようなその者は、大柄で赤い髪と青い目をしており、異様に甲高い叫び声をあげていたという。それは、助けを求める異国の言葉だったのだろうか。それとも、故郷を憂いた叫びだったのだろうか。やがてその怪物は山に住み、食料を求めてときどき里に降りてきた。その姿がナマハゲとなったという。見慣れない異邦人の姿は、当時の日本人には確かに鬼のように見えたのかもしれない。

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