土地の素材で暮らしをつくること。原初の火を祀ること。循環生活を営むこと。海を祀ること。未来を思って木を植えること。そして神や魔物、人間だけでない見えない世界への畏敬の念を忘れないこと。

私たちが宝物として紹介したのは、沖縄の人々の歴史や世界観を象徴するものだ。しかし、それは果たして、沖縄の人々だけの宝だろうか?

今回、探してもらったのは島人の宝。
沖縄の人々は自らのことを島人(しまんちゅ)、つまり島の人という。

そして、それが小さな島であろうと、巨大な大陸であろうと、私たちは広い意味では、だれもが島の人でもある。

今回、紹介した宝物は近代化が進んでいく中で一見姿を消してしまったように見えるが、実は、ほとんどがその存在を知っていれば、いまでも見ることができるものだ。ぜひ、これからの旅の中で探してみてほしい。そして他の土地にいっても、暮らしの中に潜む宝物を探してみてほしい。この場所で宝探しを体験したあなたは、また別の場所でも、あるいはふだんの暮らしの中でも、宝物に気づくことができるかもしれないから。

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