巨大なクスノキの間を歩いていると、自然と心が整ってくる。藤崎台には樹齢1000年と言われるクスノキが7本もあり、大きなものは幹周り13.3メートル、高さ29メートルにもなる。これだけの巨木が群生している場所は、なかなか貴重だ。

穏やかな時間が流れる藤崎台だが、かつては西南戦争の舞台になっている。南西の花岡山に陣を構えた薩摩軍と大砲で撃ち合った末、攻め込んできた兵士と銃撃戦が繰り広げられた。激しい戦火により、ここにあった藤崎八旛宮という神社は焼失してしまったが、クスノキは7本すべて残ったという。戦災を逃れた奇跡のクスノキ群。巨木は、今も熊本の街を見守っている。

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