「新鮮でおいしいものが食べたいんですが、おすすめはありますか」

小倉に来たら、ぜひ聞いてほしい。地元のほとんどの人がそう答えるはずだ。

「ぜひ旦過市場へ行ってみてっちゃ!」

たんがいちば。

北九州以外に住む人にとっては、なじみのない名前だ。

旦過市場の起点は大正初期までさかのぼる。市場に隣接する神獄川を船が昇り、荷物をおろして商売を始めたのが始まり。それをきっかけに近隣から野菜や果物なども集まり、だんだんと市場のような役割を担う場所になっていった。

本物の市場になったのはさらに時が経ってから。第二次世界大戦の後、商人が集まり、食料に困った人々に新鮮な魚などの食べ物を売り始め、やがて「北九州の台所」と呼ばれるまでに進化を遂げた旦過市場は、高度成長期に最盛期を迎える。前に進めないほどの客であふれかえり、生鮮食品を求めて来る人も激増した。日本初の24時間営業のスーパーマーケットも生まれた。

昭和が終わり、小倉駅付近に新しい商業施設が増えても、旦過市場は姿を変えず存在している。現代的な街並みに旦過市場の看板が馴染む。

それほど、小倉にとって今も昔もなくてはならない市場なのだ。

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