北九州市の市のほぼ中央に位置するランドマーク。戸畑の町を一望できる丘に、まるで双眼鏡のような形をした美術館。
開館したのは高度経済成長期の終わり。北九州の工業による発展に一段落がついて、今後は文化に力をいれていこうという気運が高まっていたころである。開館して最初の企画展には12万人もの人々が押し寄せた。
当時の人たちのお目当てのひとつは、ドガの「マネとマネ夫人像」。キャンパスの右側がブツリと切断されていて夫人の顔が途切れている。一説には「マネが切り裂いた」と言われているが、なぜなのか。そして、切断された部分には何が描かれていたのか。そんな想像をめぐらせていたに違いない。もちろん、その絵画は現在も展示されている。