かもめのばぁばぁから町に出た時、リリーさんが勧めてくれた「グアテマラ人が営むお好み焼き店」のことを思い出した。お腹も空いていた僕らは早々に店を尋ねることに。
店名が描かれた緑のサンルーフや、オレンジ色の壁に囲まれた店内からはどこか南米の空気を感じる。ただ、カウンター席に座って、目の前の鉄板で繰り広げられる調理風景は本場のお好み焼きそのものだった。
店主のロペズ・フェルナンデスさんに話を聞いてみると、お好み焼きに惚れ込んだ彼は、名店『八昌』で修行。日本人のパートナーの実家がある横川エリアで開業したのだという。
話を聞くうちに焼き上がったお好み焼きは、ふわふわとした食感の超王道。個性的なところは、トッピングされたハラペーニョだ。唐辛子の酢漬けのツンとした酸味は、ソースの淡い酸味とマッチ。ふわっとした生地への食欲をそそらせる。初めて食べる味でも、なぜか自然と受け入れてしまう。幅広い多様性を受け入れる横川の町を、象徴するような食体験だった。