ACAO FORESTには世界最大の盆栽がある。現在の盆栽は3代目だが、初代の盆栽は樹齢600年の松を長野県から運んできた。当時で1億円といわれ、大阪にあったいちばん大きなトレーラーで高速道路のパーキングに何度も小休止しながら慎重に運び、熱海に着いてからはパトカーの先導によって運びこまれたという。

盆栽の器は「そんなに大きな器を焼く釜はない」ということでコンクリで。器を置く台は回転式で、盆栽にくまなく太陽光を浴びせるため1時間に10回転していた。それも、台のまわりには6台のスピーカーを設置してクラシック音楽を盆栽に聞かせていたという。

しかし、時は無情。次第に盆栽は元気を失っていく。植物の大先生が手をつくし、最後の手段として地面に植え直してみたが、やはり枯れていく。それでも根だけは残して保管していたが、それも腐ってしまった。もう、この世には残っていないのかと思いきや。庭師が20cmぐらいのコブを自宅に持って帰っており、それは現在もあるという。盆栽の世話をしてきた庭師にとっては自分の子供みたいなもの。そう思えば、わずか20cmとなった盆栽こそ、アートなのかもしれない。

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