真田家のはじまりと終わりの場所

松代城から、自転車で20分ほど西へ行ったところにあるのが妻女山。現在、ここには見晴らし台と神社が残っている。

見晴らし台からは、川中島の古戦場が見える。川中島の戦いは、戦国時代、上杉謙信と武田信玄という二人の武将が五度にわたって繰り広げた合戦だ。中でも最大の激戦となったのが第四回で、その主戦場があの場所。そしてここ妻女山も、上杉謙信が本陣を置いたとされる。

武田軍の家臣として第一線で戦い続けた武将の中に、真田家の基礎を築いた男がいる。男は第四次川中島の戦いで、妻女山に陣を構える上杉軍に夜襲を仕掛ける重要な役割を担っていた。

それから平和な江戸の時代が過ぎ、時は流れて300年後。再び妻女山が真田家に関わってくる。日本最後の内戦である戊辰戦争には、松代藩の藩士たちも多数参加した。この戦いで戦死した者たちを祀るため、ここに神社が建てられた。建立したのは、松代藩の最後の藩主だ。

戦国時代から幕末まで。妻女山は、真田家のはじまりと終わりを記録する場所だと言えるのかもしれない。

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