ここは神様が通る道

宝光社の境内を抜けて徒歩で火之御子社へ向かう場合、森の中にある神道を通っていくこともできる。この道はその名の通り、神様が通る道だと考えられている。途中には、宝光社を建てる由来となった鏡が飛んできたといわれる場所がある。かつて急な坂を登れない老人や、女人禁制で入れない女性たちは、ここから戸隠山を拝んだそうだ。

神道では、鳥のさえずりもよく聞こえる。初夏の朝は、人が会話できないほどに鳥の声が響き渡るという。ここには、NHK長野放送局が昭和初期に野鳥の鳴き声を全国に生中継した記念の碑も立っている。録音技術が未発達だった当時、小鳥の鳴き声をラジオにのせて全国に届けるという日本初の試みが、ここで行われた。戸隠は「小鳥の里」として一躍有名になり、長野市街地から戸隠へ向かう道路には「戸隠バードライン」という名前がついた。鳥のさえずりに耳を澄ませながら、木々に囲まれた自然豊かな道を歩きたい。

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