この歌の舞台は唐招提寺。夜になると、お堂に月の光が差し込んでたくさんの柱の影が地面に投影される。その影を踏みながら行きつ戻りつ、物思いにふけっていると、心に浮かんでくるのは、奈良時代にこの場所を行き交っていたであろう鑑真か、遣唐使か。はたまた、ギリシャのパルテノン神殿か。奈良町もまた夜は人気の少ない静かな町。ぜひ、夜の散歩をしながらこの書を思い出してみてほしい。

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