新入社員:
それでは次のセクションをご紹介しましょう。
社会セクションでは、我々人類が生きていく上で必ず起こる、価値観の衝突や格差をどう乗り越えていくかを研究する場所になります。
最初にご紹介するのは、「がいはんぼし」さんです!

がいはんぼし:

私はハイヒールに取り憑いた九十九神の一種だねェ。傘おばけと一緒さ。可愛くなりたいという女性の願望と、ハイヒールを履く痛みの念が合わさって生まれたのさ。それが私の栄養さ。

新入社員:
願望と痛み、か....。ハイヒール、可愛いから私もたまに履くんですが、走れないから何かあった時に逃げるのも一苦労。好きで履くならいいけれど、社会のルールで強制するのは考え直した方がいいのかもしれない。みんな過ごしやすいルールってどうしたら作ることができるんだろう?

ずうんずうん(大きな家が移動してくる音)


新入社員:わああ!「幼怪(ようかい)のおうち」がやってきましたね!お家で共同生活を送っている蛙の妖怪さんですが、共同生活のルールってどうしているんですか?

「幼怪のおうち」に住む蛙:

共同生活のルールかぁ。妖怪はそれぞれ身体も食べ物も違うから、お互いの要望を出し合って最低限のルールを作ったら、あとはお互いの得意なところを伸ばすために自由にするんだヌ!

新入社員:ふむふむ。なるほど、それは妖怪だけでなく人間にも当てはまりそうですね!次は...「鬼たまご(おにたまご)」さん。鬼たまごさんは栄養満点、食べられても人の命を巡ってまた生まれ変われるからこそ、食料確保の研究をさせてもらっている、と。

鬼たまご:

俺らは人間に食べられることでその命とともに生きて地球上を巡るんだ。おい、新入社員、俺を食べてもいいんだぞ!食べてみろ!

新入社員:ひ、ひ〜〜〜〜 ...!い、いえ、私は遠慮しておきます...!今、ちょっとお腹がいっぱいで...!つ、次は「うそつきおとし」さんです!嘘つきな人の前に行くと、その大きな瞳に、な、涙を溜めて情に訴えかけ、たちまちその嘘を告白してしまうということですね...!

うそつきおとし:
きゅうきゅう

鬼たまご:おい、うそつきおとしが泣いてるぞ?何か隠してるんじゃないのか!?

新入社員:ご、ごめんなさ〜〜〜い!ほんとは鬼たまごさんの顔が怖くて食べられなかったんです〜!

鬼たまご:む、むう.....

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