ラック・ゴーさん
1927年、タケオ生まれ/2021年、神奈川で亡くなる

ラック・ゴーは1980年に日本に到着した15名のカンボジア難民の一人だった。この写真は新型コロナウイルスの世界的流行が起きていた2020年2月に、神奈川県の高齢者施設で撮影された。

1980年に最初のカンボジア難民として日本に到着した方たちの一人と、そのご家族の写真を撮る機会があった。撮影場所はラック・ゴーが滞在していた高齢者施設だ。撮影が終わって帰る時、私は彼女に「さようなら」と言った。

そして、彼女の笑顔と目を見て不思議な気持ちを抱いた。彼女に会うのは「これが最後」という気がしたのだ。

その後、新型コロナウイルスの感染が拡大したため、どの高齢者施設もドアを閉ざさなければならず、家族も面会できなくなった。2021年の8月18日、ラック・ゴーが神奈川の高齢者施設で亡くなられた事を、一年後に知った。

生き証人がまた一人、消えてしまった…

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