あの人なら どんな風景に見えるか と想像して見る

沖縄や小笠原、海外の熱帯植物が「新宿御苑大温室」に集められている。2012年にリニューアルされたばかりの建物は真新しいが、その歴史は長い。明治8年、この場所が「内藤新宿試験場」だった時代に、日本初となる温室がこの場所に建てられた。約100㎡の小さなガラス張りの温室だった。この温室から多くの品種が生まれ、日本中で育てられるようになっていったのだ。しかし、第二次世界大戦中に空襲にあい、温室は骨だけになるほどの被害を受ける。植物の大部分も失った。戦後、再建がなされて東洋一の大温室が完成。さらに建て替えが行われて今にいたる。現在の大温室では、絶滅危惧種を保護する役割も担っている。

約2,700種もの植物が栽培されている大温室。ここでは、素直にいろんな植物を観察してまわるのがいいだろう。時間があれば、建物のまわりも歩いてほしい。戦前の温室の遺構が残っていたり、大温室の舞台裏となる温室が見えたりする。ここで働いている人たちを見ていると、「02」で紹介した福羽逸人の影と重なる。自分がなにが好きなのか、それをわかっている人たちであるように見えるのだ。誰かがこんなことを言っていた。「一生をかけて打ち込める仕事に出会えた人の眼差しほど美しいものはない」その通りだと、思う。

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