瀧の水は小浜の湧き水のひとつ。現在は水量がわずかに見えますが、小浜郵便局の裏に行けば別の湧き水が。海に向かって勢いよく水が湧き出していて、地元の人たちが水を汲んでいる様子が見られることでしょう。

さて、江戸時代になり、賑わいを増す鯖街道ですが、その流れを加速させたのは北前船。日本海を行き交い、さまざまな物資を運ぶ貨物船です。当然、京都にいちばん近い港町である小浜にも立ち寄ります。しかし、北前船は大きな船なので小浜の港に直接つけることはできません。そこで、北前船の帆にはそれぞれの会社のマークが掲げられていました。そのマークを見て「うちの船が来たぞ」となれば、急いで小型の船を出して迎えにいきます。そして、海の上で荷物の積み下ろしをして港に運び上げていました。

そんな北前船からもたされた物のひとつが、北海道の昆布です。昆布は京都に運ぶ前に小浜の秘伝のレシピで水産加工されたのですが、その昆布が将軍に召されるほどの評判となり、「若狭小浜の召の昆布」と呼ばれる名物となりました。昆布といえば、京都の鯖寿司にも昆布が巻いてありますが、その発明は必然であったと言えるのかもしれません。

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