ここに小浜西組の地図があります。まだ一本の道を歩いただけ。ここから先は自由に散策しながら「御食国若狭おばま食文化館」に向かいましょう。その前に、ここから若狭湾の風景を望んでみてください。小浜のこれまでの歩みを知ったあとでは、見方が変わっているのではないのでしょうか。
鯖街道が運んだのは鯖だけではありません。塩、水、ゾウ、昆布、鯛、そのほかにも、近くの湖で捕れた鰻を活きたまま京都に運んだり、「雲上の珍味」と絶賛された鰈も有名でした。そうして、いろいろな海産物が「若狭物」というブランドとなり、京都の市場に並びました。その光景は現在も変わっていません。
つまるところ、鯖街道は何街道なのでしょう。ルートもひとつではありません。整備されたメインルートから、最短距離だがハードなコース、琵琶湖を経由して大量輸送を可能にしたルートまで。いろんなルートがあって、ゴールが京都であるとも限りません。それらすべての道が鯖街道なのです。
これまで歩んできた道こそが、小浜のサバはなぜうまいのか。その理由になっている。そう感じてもらえれば、私も長生きした甲斐があります。かくいう私は誰なのでしょう。目の前の浜は「人魚の浜」と呼ばれています。私自身も何を食べたのかわかっていないのに、現代の人たちは不思議な名前を考えるものですね。フフフ。