「むくり屋根」とは丸みを帯びた屋根のこと。やわらかさを感じさせることから昔から京都の貴族のあいだで好まれました。京の町家でもまわりへの遠慮から軒を低くする気配りがあり、熊川にも京都との往来によってその流れが伝わったのでしょう。

さて、上丿町には「街道稼ぎ」と呼ばれる人たちが多く暮らしていたと言われています。「負い縄一本あれば生活できる。」そんな屈強な男たちが、小浜の鯖売りが運んできた魚を京都まで運びます。男たちは60kgにもなる荷物を背負って峠を越えていく。昼に出発して夜通し歩き、翌朝には京都に着いていたのですからAmazonにも負けていません。そして、京都に着いたら「追い塩」をバサっとかけて新鮮さをアピール。「若狭物」と看板を掲げられた魚たちはまるで捕れたてのように活き活きと見えていたことでしょう。

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