法華寺
蓮の花は、泥水でこそきれいに咲く。
光明皇后の想い描いた世界を追体験する
今から約1300年ほど前、民間人初の皇后が誕生した。皇族同士の近親結婚しか認められていなかった時代。当時は血統を重んじる習慣があり、皇族の血を薄めないため、というのがその理由だった。 そのため、なんとかその習慣を変え、自分の血統を皇族にしたいという思惑を持つ人も多かった。 その中で、はじめての事例となったその方こそ、法華寺の創設者、光明皇后さまである。
皇后さまは仏教に篤く、女性の最高位に就いた後も、病人や孤児の保護や治療を行うための施設「悲田院」「施薬院」をつくった。自ら私財を投じ薬草を集め無料で施すなど、社会活動を精力的に進められた。今でいう、マザーテレサや緒方貞子のような人だったのかもしれない。
このガイドは、法華寺がどのようにして生まれたのか。その歴史をたどり、創設者である光明皇后さまが想い描いた世界を追体験するガイドである。民間人から皇后になり、尼寺の総本山や医療施設をつくるなど、夫を支えながら時代の先例を創り続けた光明皇后さまの想いを垣間見てみよう。
<ガイドの使い方>
このガイドは大きく二つからなる。まず、法華寺の創設者である光明皇后さまがどんな方なのかを知る1〜3の物語を順に読んでほしい。その後、法華寺内の参拝スポットを4〜9と番号順にめぐってほしい。順にめぐることで、点が線となり、光明皇后さまが想い描いた世界が見えてくるはずだ。