次は、縄手通りをまっすぐ抜け、上土通りに行ってみよう。通りの入り口に差し掛かると、大正ロマン風の建物が見えてくる。この建物は一体何だろうか。
正解は、なんと市営住宅。それにしては立派な建物で驚く。明治時代にここに旧松本市役所があり、この建物はそれを模して建築されたものだという。市役所があったことから、上土通りが松本の中心地だったことがわかる。明治以降は松本の文化を担う、街でも指折りのハイカラなエリアだった。
ちなみに上土という地名は、松本城の堀を掘った時に出た土を上げた場所であることに由来する。ここは三の丸の堀の東の端にあたり、北へ行くと三の丸で唯一現存する水堀も残っている。