ブラジル出身の作者は真更川集落で暮らしながら地域の人たちと交流を重ねました。アトリエとした公民館にはエアコンがなく、サウナ状態での制作が続きました。田舎なので虫も多く、アブやハチが入ってくることもしばしば。都市生活に慣れていた作者ははじめは戸惑いながらも慣れていき、近所の人たちもまた、飲み物を持ってきてくれたり、漁師が魚を持ってきてくれたり、集落全員のバーベキューに誘われたりと、まるで友だちのように作者を応援するようになっていました。
この作品は、そうして地域の人たちと対話する中で、彼らが生きてきた背景をリサーチしながら描かれました。作者は「集落で起きた出来事をコラージュすることで不連続なリズムを体験する機会をつくりたい」と言います。それはどういうことなのか、作品を見ながら考えてみてください。