漁師や農民からはじまった浅草寺は、大漁や豊作を祈る、庶民の庶民による庶民のための寺となりました。

雷門、正しくは「風雷神門」。

正面から見て、右に「風神像」、左に「雷神像」が立っている。これは五穀豊穣を祈るもの。雷は「神成り」であり「稲妻」。雷の神様がもたらす雨は稲作には欠かせない。それに、風の神様がいなければ、雷雲も流れてこないというわけだ。

提灯の底には「龍」が描かれている。これは浅草寺の正式名称が「金龍山浅草寺」だから。言い伝えによると、漁師たちが仏像を拾ったとき、一夜にして千株の松が生えてきた。そこに、天から金色の龍が降りてきたという。

雷門を裏側から見ると、そこにも2体の像がある。よく見ると尻尾があるのだが、これは水をつかさどる龍神様。火事を防ぐ守り神だと言われている。昔から庶民の悩みの種は火事であり、雷門は過去に三度、焼失した。最後の火事は江戸時代。資金難もあり、しばらく建て直しは見送られていた。

そして、約100年ぶりに再建したのが1960年のこと。それも、パナソニックの創業者「松下幸之助」によって建てられた。なんでも浅草寺で祈ったところ、たちまちにして持病が治った。そのお礼に雷門を建てるためのお金をポケットマネーで寄付したという。

さぁ、雷門の見どころをめくってみよう。

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