時は幕末、京都にはたくさんの武士が集結していましたが、維新側から見た英雄といえば、誰なのでしょう。
桂小五郎、西郷隆盛、坂本龍馬、この行列では明治維新の立役者となる人物が登場します。反対に、幕府側の勢力であった新選組は出てきません。時代祭に登場する人物は維新側から見た歴史が表されています。
行列のひとりひとりに物語があります。たとえば、三条実美をはじめとする7人の公家がいます。公家とは身分の高い貴族であるはずですが、彼らはそろって蓑の傘をかぶり落ちぶれた姿をしています。なぜかといえば、7人の公家が京都で失脚し長州に落ち延びるシーンを再現しているからです。というのも、この7人の公家は長州藩と深いつながりを持ち、尊王攘夷の急先鋒とされていました。しかし、当初は幕府側の勢力であった薩摩藩によって身を追われ、都落ちします。こうして深い因縁のあった長州藩と薩摩藩ですが、のちに坂本龍馬の手引きで薩長同盟を結び、その力が明治維新へとつながっていくのです。