ここ「陶の郷」は、丹波焼と出会う旅の入り口。
その出会いは、800年を超えて受け継がれてきた、焼きものの世界に包まれることからはじまります。

山に抱かれたこの地には、多くの窯元が点在し、煙が絶えず立ちのぼります。
土をこねる音、薪を割る音、窯を見つめる人々の静かな眼差し──
それは、火と土とともに暮らす「焼きものの村」としての風景です。

いまでは丹波焼の総合的な拠点として整備され、
多くの窯元の作品が並ぶ、丹波焼のショーケースのような空間となっています。
伝統を受け継ぐ器も、現代の感性で生まれた新しい作品も、肩を並べて展示され、
登り窯の見学や陶芸体験、作家との出会いも楽しむことができます。

そして、この場所にはもうひとつ大切な役割があります。
それは、たくさんの器のなかから「自分のひとしな」に出会ってもらうこと。

けれど、目の前に並ぶ器の数は想像以上。
どれも魅力的で、どれを選んでよいか迷ってしまうかもしれません。

そこで、こんなふうに選んでみるのはいかがでしょうか。
──まず、「自分は何がほしいのか?」を考えてみる。
たとえば、「朝のコーヒーがもっと美味しく感じられるカップがほしい」、
「友人をもてなす料理に合う大皿がほしい」そんな具体的なシーンを想像してみてください。

それから、いくつか手にとって、触れて、重みや質感を感じてみる。
手に吸いつくような感触や、思わず撫でたくなる肌ざわりに、心が動くこともあるでしょう。

もし、気に入った器の“色違い”や“別の形”を探したくなったら、
その作品をつくった窯元へ、直接足を運んでみてください。
窯元の工房には、もっと多くの作品が並び、
もしかしたらオーダーで色やサイズを調整してくれることもあるかもしれません。

そんなふうに、器を選ぶことは、誰かの作ったものを「買う」だけでなく、
ものづくりの背景へと一歩踏み込んでいく、旅の“体験”でもあるのです。

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