日本の食卓の変化にあわせて愛を運ぶ 進化する街のお米屋さん

《Traveler’s eye》

清澄庭園を抜け、深川江戸資料館に向かいペダルを漕いでいると、軒先にカラフルな雑貨を並べているお店を発見。
自転車を止めて、覗き込んでみるとキャンディーのようなカラフルな包みはお米。
「こしひかり」「ゆめぴりか」……日本各地のブランド米が所狭しと並んでいる。

「いらっしゃい。」奥から、日に焼けた店主の笑顔が飛び込んできた。

店の奥を覗き込むと大型の精米機からゴーッと音を立てて、お米が吐き出されている。
内心驚きつつ、店主の話に引き込まれる。

「ここではね、お店や家への配達直前にこうやって精米しているんだよ。健康志向で、玄米を好む人も増えているしね。」

たしかに、いろんなお米を食べ比べてみるもの面白そうだな。
そう思って、お土産にブランド米の食べ比べセットを買ってみる。

「モチモチとした食感と甘みはコシヒカリだけど、おにぎりにするなら冷えても美味しい北海道のゆめぴりかもいいね。山形のつや姫は旨みがあるよ。いろいろ食べ比べて、好きなお米を探してごらん。」

三河屋米店を出ると、左手すぐに昭和レトロな街並みが残る、深川資料館通り商店街があった。
昔ながらの佃煮屋、深川めしの料理屋、呉服屋、豆腐屋、石屋、寺院の並びにセレクトショップや紅茶専門店、ベーカリーといった専門店の姿も見える。

ちょっと散策してみよう。

Travelerから、Neighborへ

街の家族の食卓での団欒を支えてきた三河屋。
時代に取り残されることなく、家族の在り方ともにスタイルを変えてきた。
日本人の主食である米の新たな楽しみ方を提案し、
地域に新しく入ってくる一人暮らしや家族世帯にも好かれているお店だ。

《Neighbor’s eye》

清澄庭園を抜け、深川江戸資料館に向かいペダルを漕いでいると、軒先にカラフルな雑貨を並べているお店を発見。
自転車を止めて、覗き込んでみるとキャンディーのようなカラフルな包みはお米。
「こしひかり」「ゆめぴりか」……日本各地のブランド米が所狭しと並んでいる。

「いらっしゃい。」奥から、日に焼けた店主の笑顔が飛び込んできた。

三河屋米店は1951年創業の、清澄白河駅からほど近い米屋だ。
店主の鈴木康夫さんはこの清澄白河の地で父の稼業を継ぎ、
お店を繁盛させてきた。

「昔は、店の目の前に都電があってね。人の往来が多かった。
この辺りでは、ウチがテレビを買った最初の家だったから、
毎日夕方になると近所の子どもが集まってきたものだよ。」
店主は目を細めた。

私の小さい頃は街で精米店を見かけた気がするが、最近ではお米はスーパーマーケットで買うようになっている。
この街では、まだこういった店が残っているのだ。

店奥を覗き込むと大型の精米機からゴーッと音を立てて、お米が吐き出されている。
内心驚きつつ、店主の話に引き込まれる。

「ここではね、お店や家への配達直前にこうやって精米しているんだよ。健康志向で、玄米を好む人も増えているしね。」

お米の風味や旨味を一番感じられるのは、精米直後。
三河屋米店は創業から約70年、精米したてのおいしい白米を地域の家々に届けてきた。
米は日本人の主食であり日本の食卓に欠かせないものだ。
しかし年々、食事が多様化するにつれ、米の消費量は減り、農作地も減っている。
手軽にパンを買ってくることが増え、ご飯の炊き方を知らない若い層も現れている。
街のお米屋さんの変遷を知ることは、日本の家庭と食卓の変遷を知ることかもしれない。

各地の農協からお米を仕入れるにはトン単位での仕入れが必要となる。
産地がブランド米を作り、玄米や米粉パンなど食の多様化に対応することは小規模な精米店には難しく、先細る売上に店じまいする店舗も多い。

しかし、三河屋では、地域の他の精米店とも連携し、日本各地から産地の米を共同で仕入れる取り組みを始めた。
最近では、街の人にさまざまな米の銘柄を知ってもらうため、
一人暮らしや人数の少ない家族のための小分けパックを売り始めたらしい。
近頃は、小分けパックが旅行者の良い土産物にもなっているそうだ。

たしかに、いろんなお米を食べ比べてみるもの面白そうだな。
そう思って、お土産にブランド米の食べ比べセットを買ってみる。

「モチモチとした食感と甘みはコシヒカリだけど、おにぎりにするなら冷えても美味しい北海道のゆめぴりかもいいね。山形のつや姫は旨みがあるよ。いろいろ食べ比べて、好きなお米を探してごらん。」

三河屋米店を出ると、左手すぐに昭和レトロな街並みが残る、深川資料館通り商店街がある。
昔ながらの佃煮屋、深川めしの料理屋、呉服屋、豆腐屋、石屋、寺院の並びにセレクトショップや紅茶専門店、ベーカリーといった専門店の姿も見える。

ここは深川・清澄白河の新旧の顔ぶれが入り混じる、玄関口。
下町の人情を感じるなら、ここがいい。
ちょっと散策してみよう。

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店名:三河屋米店
住所:東京都江東区白河1-1-2
営業時間:月曜日ー土曜日 9:00am-6:00pm
定休日:日曜・祝日
☎︎ +81 3-3641-6982
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