街の人のストーリーが込められたワイン、ダイニングバー併設の都市型ワイナリー

《Traveler’s eye》

富岡八幡宮をあとにして、次の目的地に。
住宅地を抜けると、石塀が続く道を右に曲がる。
石塀は一面が緑の蔦と花に覆われ、都心にいることを忘れてしまうようだ。

石塀の終わりに近づいた頃、シャッター脇に「深川ワイナリー」と書いてある看板が。
「閉まっていますが、開いています」謎かけのようなメッセージとインターホンがワイン樽横に置かれている。
インターホンを押して、矢印の方向、裏口に向かってみる。
ワインボトルが並ぶカウンター越しにはスタッフの女性が立っていた。

「いらっしゃいませ。ちょうどワイナリーツアーが始まります。よろしければ参加なさいますか?」

促されるままに、もう一度ワイナリーの表側に。
ギギーという音とともにシャッターが上がり、色白の男性が現れた。

「こんにちは。醸造責任者の上野と言います。」

柔らかい関西弁で案内が始まった。
深川ワイナリーは2016年にオープンした都市型ワイナリー。
山梨県や山形県、北海道など各地のぶどう農家から仕入れたぶどうを、このワイナリーで醸造している。

「試飲してみます?山形県寒河江市の安孫子さんのシャルドネです。」

そっと一口、口に含む。鮮烈な香りとキリッとした味わいが、面白い。

「まだ若いんですけどね。もう2週間したら瓶詰めして寝かせます。」

ワインも生き物であり、環境により酵母の働きと味わいのバランスは変わってくる。

今年秋には東京と各地の生産者のぶどう畑を巡るツアーも計画しているそうだ。
秋、収穫したぶどうの仕込みが始まった時に、またこの場所に来たいものだ。

Travelerから、Neighborへ

いち時期は空き倉庫街が並び、活気を失っていた街に、ワイナリーやブルワリーといったクラフトマンシップを感じられる場が増えているのは偶然ではない。
熱意ある作り手は、家賃が安く、広い土地を求めて深川に移って来た。
そして、その作り手の情熱を共有し、支えるNeighborsが存在する。

《Neighbor’s eye》

富岡八幡宮をあとにして、次の目的地に。
住宅地を抜けると、石塀が続く道を右に曲がる。
石塀は一面が緑の蔦と花に覆われ、都心にいることを忘れてしまうようだ。

石塀の終わりに近づいた頃、シャッター脇に「深川ワイナリー」と書いてある看板が。
「閉まっていますが、開いています」謎かけのようなメッセージとインターホンがワイン樽横に置かれている。
インターホンを押して、矢印の方向、裏口に向かってみる。
ワインボトルが並ぶカウンター越しにはスタッフの女性が立っていた。

「いらっしゃいませ。ちょうどワイナリーツアーが始まります。よろしければ参加なさいますか?」

促されるままに、もう一度ワイナリーの表に周る。
ギギーという音とともにシャッターが上がり、色白の男性が現れた。

「こんにちは。醸造責任者の上野と言います。」

柔らかい関西弁で案内が始まった。深川ワイナリーは2016年にオープンした都市型ワイナリー。
山梨県や山形県、北海道など各地のぶどう農家から仕入れたぶどうを、このワイナリーで醸造している。

彼、上野さんは大学で醸造学を学び、関西の農園付きワイナリーで17年の経験を積んできた。
各地の農家の様子や、ワイン作りの工程を熱っぽく、丁寧に教えてくれる。

「試飲してみます?山形県寒河江市の安孫子さんのシャルドネです。」

そっと一口、口に含む。鮮烈な香りとキリッとした味わいが、面白い。

「まだ若いんですけどね。もう2週間したら瓶詰めして寝かせます。」

ワインも生き物であり、環境により酵母の働きと味わいのバランスは変わってくる。
始まったばかりのこのワイナリーでは、すべてが試行錯誤の連続だろう。

深川ワイナリーラボと呼ばれるカウンターの部屋に戻り、上野さんに深川ワイナリーのワインを紹介してもらう。
まだお昼だと言うのに、切れ間なく近隣の人たちが訪れては、最近のワインはどう?と軽口を叩いていく。

「オーナーは、このワイナリーを”コトづくりのワイナリー”にしたいって言っているんですよ。」

隣人たちが仕事帰りに寄って気軽にワイワイできるのはもちろん、ここでは自分専用のオリジナルワインを作って、結婚式や会社の周年などのハレの日に楽しむこともできる。
まるで地元の野球チームのように、いい時も悪い時も寄り添って、長い年月をともに過ごすことができるワイナリー。

そして日本各地の生産者にとっても、この都市型ワイナリーへの希望は小さくない。
従来は大手メーカーのワイン樽でその他多数の生産地のぶどうと混ぜられていたものが、小規模でも生産者の名を冠したワインとして製造することができる。

生産者ごとのこだわりや土地の違いを感じられるワイン。
この辺りには近年2つのワイナリーと1つのブルワリーがオープンしている。
ここには深川ワイナリーと各地の生産者のクラフトマンシップを尊重し、肩肘張らずにそっと支えるNeighborsがいる──。

今年秋には東京と各地の生産者のぶどう畑を巡るツアーも計画しているそうだ。
秋、収穫したぶどうの仕込みが始まった時に、またこの場所に来たいものだ。

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[深川ワイナリー]
住所:東京都江東区古石場1-4-10
営業時間:月曜日ー日曜日 10:00am-6:00pm
*金曜日、土曜日、祝日は 10:00pm まで営業
URL: http://www.fukagawine.tokyo
☎︎ +81 3-5809-8058

[九吾郎ワインテーブル]
住所:東京都江東区白河1-3-10
営業時間:月曜日ー日曜日 5:00pm-11:00pm
*土曜日、日曜日ランチ営業あり 12:00pm-2:00pm
URL: http://q56.tokyo
☎︎ +81 3-5875-9516
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