グラスが、地域の新旧をつなぐ 昔ながらで新しい、ガラス研磨ができる工房

《Traveler’s eye》

ARiSE COFFEE ROASTERSを出て、右に数十メートル。「GLASS-LAB」の看板と足元に置かれた色とりどりの丸いガラス。「液ダレしない醤油差し」と書いてある。通りすがりにサンプルを試す人たち。工房を覗き込んでみると、江戸切子や模様の入ったグラスが棚に並んでいる。

「どうぞ、なかに入って見ていってください。」

導かれるままに工房に入る。両側に積まれた段ボールの奥行きは意外に広く、天井から何本ものベルトが左右に張られている。

「ここはガラス工房などで作ったグラスや器を加工する専門の工房です。この古いタイプの研磨機が残っている工房はもう日本にないそうです。」

台の上にあるお皿を片手に説明してくれる。

「お皿でもグラスでも、工房などで成型する際にはポンテと呼ばれる加工の痕が残ります。それを研磨して、仕上げるのがウチみたいな工房なんです。」

「ウチは祖父の代から、研磨や切断、穴あけなどのガラス加工を営んでいます。弟も職人なんですが、サンドブラストでガラスのトロフィにロゴや名入れしたり、グラスに模様や絵柄を入れたりすることもしています。」指差した棚の先には浮世絵を模したグラスや細やかな模様付きのグラスが並ぶ。

「この町はおもしろいですよ。もうすぐ祭りもあるし、夜も結構イベントしているところが増えたから。」

富岡八幡宮で見た巨大なお神輿を思い出す。お祭りの時はこの辺りは賑やかそうだ。

「水かけ祭りって言うんですけど、できたら水鉄砲とか小さいバケツがあると最高だね。」「ポリバケツやらプールにお水が張られてるから、ちょっとお願いしてお水をもらってさ、いっしょにお神輿に水をかけるんですよ。やっぱり祭りは参加しなきゃね。」

タイの水かけ祭りのような騒乱と興奮に満ちた祭りなのだろうか。想像して、そっと瞬きする。店主に笑顔で応えて、日差しが眩しい往来へ出た。

Travelerから、Neighborへ

職人たちの工房を街に開いたところから、すべては始まった
グラスを通じて、モノの贈り手と受け取り手の想いをつなぎ、地域の新旧の顔ぶれをつなぐ。
あくまで自然体の彼が、深川から新しい物語を紡ぐ立役者かもしれない。

《Neighbor’s eye》

ARiSE COFFEE ROASTERSを出て、右に数十メートル。「GLASS-LAB」の看板と足元に置かれた色とりどりの丸いガラス。「液ダレしない醤油差し」と書いてある。通りすがりにサンプルを試すひとたち。工房を覗き込んでみると、江戸切子や模様の入ったグラスが棚に並んでいる。

「どうぞ、なかに入って見ていってください。」

導かれるままに工房に入る。両側に積まれた段ボールの奥行きは意外に広く、天井から何本ものベルトが左右に張られている。

「ここはガラス工房などで出来上がったグラスや器を加工する専門の工房なんです。この古いタイプの研磨機が残っている工房はもう日本にないそうです。」


江戸の頃から水運が発達していた墨田区・江東区・江戸川区周辺は江戸硝子の産地だ。隆行さんの祖父がこの地で椎名硝子を開業し、父、弟と3代に渡る職人の家族を持つ。椎名隆行さんは大学を卒業すると、一般企業に就職。企業での勤務経験を活かし3年前に家業とITを掛け合わせ、オリジナルデザイングラスの企画販売をするGLASS-LABを起業した。

きっかけは彼自身の恩師へのプレゼント。ビール好きの恩師が起業のために退職を決めたとき、恩師自身のシルエットとメンバーからのメッセージを刻んだグラスを贈った。「成功したら使うから、それまで飾っておくよ。」心底喜んだ彼の顔が嬉しかった。しかし恩師はその後、病気で他界。「人生を賭して自分に出来ることをやらねば。」想いを込めたガラス製品を贈り手の方と「共に創る」サービスができないか、ひとの「心を揺さぶる」ものづくりができないか。そう考えたときに、自ずと道は定まった。

「ガラスのお皿でもグラスでも、工場で作った直後だと切断面が鋭かったりギザギザがあります。それを研磨して、仕上げるのがウチみたいな工場なんです。」

台の上にあるお皿を片手に説明してくれる。

「ウチは祖父の代から、研磨や切断、穴あけなどのガラス加工を営んでいます。弟も職人なんですが、サンドブラストでガラスのトロフィにロゴや名入れしたり、グラスに模様や絵柄を入れたりすることもしています。」指差した棚の先には浮世絵を模したグラスや細やかな模様付きのグラスが並ぶ。

GLASS-LAB開業後、週末は工房をオープンにして、積極的に見学や江戸硝子製醤油差しの加工体験を受け入れた。加工体験の話を聞いて、体験直後に彼女にプロポーズする人や、新婚旅行の思い出のワインボトルをランプシェードに加工して、パートナーへのサプライズのプレゼントにする人も現れた。記念日はもちろん、毎日の生活にもグラスは欠かせない。グラスに想いを込めることで日常生活が色鮮やかになるー、そんな手応えを感じている。最近ではクリエイターとのコラボでアクセサリーを作ったり、近所のお店から頼まれてオリジナルグッズを納めたりすることも増えてきた。

隆行さんの活動はここに留まらない。
清澄白河といえば、東京の三大祭りにあげられる富岡八幡宮の深川祭り(通称:水かけ祭り)のお膝元だ。隆行さんも深川っ子の例にもれず、大の神輿好き。町内会の神輿運営を担っている。しかし年々若い人が減り、神輿運営の責任者が減っていることに危機感を覚えた。深川には長年ここに暮らす人もいれば、毎年多くの人が移り住んでいる。地域の新しい人と地元の人をつなぐことはできないかー、そう考えて地域のユニークな人を紹介するトークイベント『コウトーク』を清澄白河ガイド運営者とともに主宰する。

「この町は毎日おもしろいですよ。もうすぐ祭りもあるし、夜も結構イベントしているところが増えたから。」

富岡八幡宮で見た巨大なお神輿を思い出す。お祭りの時はこの辺りは賑やかそうだ。

「水かけ祭りと言うだけあって、できたら水鉄砲かおたまがあると最高だね。バケツ持った人が並んでいるから、いっしょにお神輿に水かけるんだよ。やっぱり祭りは参加しなきゃ。」

タイの水かけ祭りのような騒乱と興奮に満ちた祭りなのだろうか。想像して、そっと瞬きする。隆行さんには笑顔で応えて、日差しが眩しい往来へ出た。

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店名:GLASS-LAB
住所:江東区平野1-13-11
営業時間: 土曜日・日曜日・祝日 10:00am-6:00pm
URL: http://glass-labo.com/
☎︎ +81 3-6318-9407
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