ノスタルジックな遊び心を持ち帰る。 部屋に飾りたくなる、理化学ガラス

《Traveler’s eye》

「ありがとうございました〜」

4、5人の女性たちがテラリウム(ビンやガラスベース内に作る苔庭)を片手に建物の一角から現れた。

「リカシツ」と書かれた黒板を脇に、女性たちが現れた入り口を覗き込むと、数組の客と店内中に並ぶビーカーやフラスコが見える。ゆっくり中に入ると、左の棚にガラス工場と思われるモノクロの写真が並んでいる。

『関谷理化株式会社は長きにわたり大学や研究機関への理化学ガラス製品の供給をしてきました。職人の技術を次の時代へと受け継ぎ、インテリアと融合したガラス製品の開発を目指します。』

もともと、実験用ガラス器メーカーだったのか、ひとり納得しながら奥へと進む。

ビーカー、三角フラスコ、試験官、ペトリ皿…学生時代の理科室を思い出し、ノスタルジックな気分が蘇る。元素記号のポスターってこんなに美しかったっけ。さらには見慣れた実験機器に植物や花が挿さっていたり、ゴトクの上にドリッパーが置かれていたり。おしゃれでありつつ、どことなくユーモアを感じる。思わず、コルク付きの平底試験管を選び、レジに並んだ。

傍のチラシが目に入る。さっきまで2階のワークショップスペースでテラリウム作り講座が開かれていたらしい。

「私たちが作った街案内マップもよければ見てみてください。」

試験管を入れてくれた袋とともに、リカサンポと書かれたマップを手渡してくれた。また来ます、そう思いながら、リカシツを後にした。

Travelerから、Neighborへ

感性豊かで、自らモノづくりを好むNeighborsとともにインテリアとして、雑貨として、新たな用途を創り出してきたリカシツ。
機会があれば、この街を訪れて、ワークショップに参加してほしい。
あなたが望むような使い方が、職人の可能性を広げることになる。

《Neighbor’s eye》

「ありがとうございました〜」

4、5人の女性たちがテラリウムを片手にfukadasoの一角から現れた。

GLASS-LABの斜め向かいにあるfukadasoは解体寸前だった古アパートを再利用し、いまではカフェや雑貨専門店が入る建物だ。白っぽいトタンの壁と所々滲む錆色がなんとも言えない趣を帯びている。

「リカシツ」と書かれた黒板を脇に、女性たちが現れた入り口を覗き込むと、数組の客と店内中に並ぶビーカーやフラスコが見える。ゆっくり中に入ると、左の棚にガラス工場と思われるモノクロの写真が並んでいる。

『関谷理化株式会社は長きにわたり大学や研究機関への理化学ガラス製品の供給をしてきました。職人の技術を次の時代へと受け継ぎ、インテリアと融合したガラス製品の開発を目指します。』

老舗でありながらも徐々に縮小していく市場を前に、職人の数は減りつつあった。「ガラス機器の新しい用途を見出したい、職人の新しい仕事を作りたいー」その想いでリカシツをオープンした。もともと、実験用ガラス器メーカーだったのか、ひとり納得しながら奥へと進む。

ビーカー、三角フラスコ、試験官、ペトリ皿…学生時代の理科室を思い出し、ノスタルジックな気分が蘇る。元素記号のポスターってこんなに美しかったっけ。さらには見慣れた実験機器に植物や花が挿さっていたり、ゴトクの上にドリッパーが置かれていたり。おしゃれでありつつ、どことなくユーモアを感じる。思わず、コルク付きの平底試験管を選び、レジに並んだ。

「とてもユニークなお店ですね。」そう話しかけてみると。

レジに立つ、優しげな女性ーこのリカシツの管理人である、関谷リカさんは言う。

「実験用ガラス器でどんなことができるか、お客様からアイデアをもらうことが多いんですよ。」

当初はジガー(主に酒などの液量を測る器)を主力商品にしようとライフスタイル雑貨の展示会に出展した。しかし注目を集めたのは、会社紹介のために設置した実験用ガラス器だった。実験用ガラス器の無駄のないフォルムやシンプルな佇まいに惹かれる人が多かったのだ。

そこで、東京都現代美術館があり、コーヒーロースターの街として注目を集めていた清澄白河でテスト販売してみることにした。狙いは当たったー。感性豊かで、自らモノづくりを好む人たちが、自室のインテリアのために実験用ガラス器を買って行ったのだ。

傍のチラシが目に入る。さっきまで2階のワークショップスペースでテラリウム作り講座が開かれていたらしい。

「テラリウムお好きですか?他にも天然ハーブウォーターや石鹸を作る講座もあるんですよ。」

様々なワークショップをきっかけに、リカシツを訪れる人たちが、また実験用ガラス器を前に想像を広げてゆく。最近ではリカシツの製品を見かけたコーヒーショップが理化学的珈琲ドリップスタンドを購入し店頭に並べてくれたり、街のケーキ屋さんでバレンタインギフトに使われたり、ワインバーにビーカーワイングラスが置かれたり。オープン当初に描いていた夢が、少しずつ形になってきている。

「私たちが作った街案内マップもよければ見てみてください。」

試験管を入れてくれた袋とともに、リカサンポと書かれたマップを手渡してくれた。また来ます、そう思いながら、リカシツを後にした。

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店名:リカシツ
住所:東京都江東区平野1-9-7
営業時間:木曜日ー日曜日 1:00pm-6:00pm
URL: http://www.rikashitsu.jp/
☎︎ +81 3-3641-8891
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