──一方、阿麻和利は。先代の長を倒して勝連グスクを奪った勢いのまま、虎視眈々と国盗りを狙っていた。

阿麻和利は悪役として語られることが多い。それは、琉球王国の視点で書いた歴史書にそう記されているからである。しかし、「おもろそうし」をはじめとするその他の資料では、阿麻和利を称えるような言葉も多く残されている。

そもそも阿麻和利は悪政と贅沢の限りを尽くしていた勝連グスクの長を倒して、自らが長となった。その後は、税金を軽くして農民が暮らしやすくするなど善政を敷いたため、救世主のように慕われた。だからこそ、六代目の王・尚泰久も自分の娘を嫁に出したと考えることもできるだろう。

勝連グスクは阿麻和利がいたころに全盛期を迎えたが、阿麻和利が大城賢雄に打たれたあとは廃墟となった。

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