「建設現場の建物は、覆われたシートの下で刻一刻と変容し続けている」

山野を切り開きながら、広がり続ける宅地開発の現場で、建築中のシートで覆われた建物を見ながら、作者はそんなことを考えていた。

建設現場で使われるシートが外される瞬間、新築の建物が姿を現すことがある。だが、その建物も再びシートに覆われるとき、今度は解体され、建物としての終わりを迎えることになるのかもしれない。

この「建物が変容する姿」からインスピレーションを得て、2020年に香港にオープン予定の、アジア最大の美術館の建設現場を描いたのが『M +museum』だ。香港のみならず、アジアを代表する美術館になるであろう建物たち。その姿を通して、変容する都市の風景を表現した。

ここ地下2階に置かれた「変容」がテーマの作品に触れ、地上に上がったあとの気持ちを大事にしてほしい。そのとき、きっといつもとは違う景色の変化を感じるだろう。

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