知夫里で最も栄えた商店街の一角にある「一宮神社」。一宮とは、その地域でいちばん位の高い神社のことをいうが、ここは知夫里の一宮。地元の人は親しみをこめて「いっくうさん」と読んでいる。

しかし、正式な名前は「天佐志比古命神社」。神話によれば、7世紀ごろ、天佐志比古命(あまさしひこのみこと)という神様が「神島」に降り立った。そして、神島の対岸に位置する知夫里島本島の岬に渡り、さらに移動を重ねてこの場所に落ち着いたそうな。もしかすると、この物語は知夫里島に人が漂着して、島を開拓していった変遷を伝えているのかもしれない。が、定かではない。

では、天佐志比古命とはどんな神様なのか。一説には、出雲大社で祀られている「大国主命(おおくにぬしのみこと)」の別名にして同一人物であるといわれている。そう聞くと建物もどことなく「出雲大社」に似ているようにも思えるが、これもまた確かではない。

この先のガイドもふくめて、あくまで一説として、想像をふくらませるきっかけにしてほしいと思う。

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