島という漢字のもとは「㠀」。山の上に鳥がとまっている様子を示す字である。島の「とう」という発音のもとは「到」。人の行き着く場所をあらわしているという。

さて、隠岐四島でいちばん本土に近いのは知夫里島だが、無人島を含めるといちばん本土に近い島は神島となる。

神話によると、まず最初にこの島に天佐志比古命という神様がやってきた。天佐志比古命=大国主命であるとすれば、本土から位の高い神様がやってきて隠岐最南端の島に到着したことになる。そして、すぐそばにある知夫里島本島の岬に渡ってきたというわけだ。

ちなみに、神島の手前にあるふたつの小島を「御鳥居島(おおとりいしま)」と呼び、知夫里島本島に到着した岬のことを「御越鼻(みこしはな)」と呼んでいる。鳥居と御輿(輿の語源は越し)。なんとも神がかった名前である。

しかし、これも元を辿れば、「とりい」とは鳥がいる「おんとりの島」であり、「みこし」とは「鵜越」であるという説がある。昔の人たちは人間の活動領域を越えて行き来する鳥という存在に神を重ねていたのだろうか。

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