知夫湾に沿って走る太い道路は、新しくできたばかりの埋め立ての道。
昔の大江のメインストリートは裏手に残る細い道のほうだった。その証拠に、ここにはいかにも波打ち際であったことがわかる岸壁の石が残っている。それに、ここから道路沿いに並ぶ民家を見渡してみてほしい。新しい家はともかく、古い家は軒並み道路に背を向けている。これもまたメインストリートが裏手にあった証拠である。
この道に限らず、現在、海に面している道路の多くが新しく敷かれたもの。昔は、どの地区に行くにも内陸の山を越えなければならず、大変な道のりであったという。