多沢は THE 漁師町。 この地区の「蛇巻き」にはあきらかな特徴がある。お気づきだろうか。御神木のまわりにたくさんの藁が散らばっているのだ。 ほかの地区では年に一度の蛇巻きのたびに、新しい蛇巻きに巻き替える。そのとき、古い蛇巻きは燃やして供養してしまうのだが、多沢では古い蛇巻きを残しつつ、その上に新しい蛇巻きを足していく。つまり、散らばっている藁は古い蛇巻きが風化してほどけたものなのだ。 では、なぜ燃やさずに残しておくのか。それについて答えられる人は島にもいない。想像あるのみである。
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