手は持ち主の仕事を物語るもの。職人さんの手はけずりかすや油で汚れている。毎日の作業で皮は分厚くなり、ずっしりと重たそう。僕はそんな手が大好きだ。
高度経済成長期を後押しした工業業界もいまは昔。時代は変わり、パソコンのキーボードで完結する仕事も増えてきた。そんななか、いまだに手を動かす仕事は前時代的だろうか?
僕はそうは思わない。生活雑貨・電子機器・建物や乗り物など、わたしたちの生活は道具に支えられている。それら形のあるものを作っているのは、いまも昔も職人だ。
そして、つくられた製品は日本を飛び出し、海外でも活躍している。大田区の工場やそこで働く職人は、世界の人々の暮らしをより豊かに、便利にしている。これは誇るべき事実だと思う。
このガイドを読んで大田区の町工場に興味を持った人は、工場に足を運んでみてはいかがだろうか。
大田区ではオープンファクトリーのイベントを定期的に開催している。日本のものづくりは誰が支えているのか? 職人さんの話を聞き、動く機材を見て、リアルなクラフトマンシップに触れてほしい。