なんだ、浮かない顔してるじゃねえか。スタミナが足りないんじゃないか? そんなときは鰻だよ、鰻! え? 鰻は高いんじゃないかって? 大丈夫だ、蒲田には手頃に食える店があるんだぜ。

そこの提灯の下がってるところが、その名も「うなぎ家」だ。入りづらい? そんなこと言わねえで、ちょいと縄のれんをくぐってごらんよ。ほら、いい匂いがしてきた。この店では、なんと鰻を300円で食えるんだぜ。

鰻って言えば「うな重」を思い浮かべるかもしれねえが、あれはなかなかいいお値段じゃないか。それに、ちょいと呑むにはボリュームがありすぎる。香ばしく焼けた鰻をちびちびやりつつ、酒をくいっとひっかけるなんて、なかなか粋だろう?

オススメはなんと言っても「うなぎ串焼」だね。鰻の蒲焼きを、ひと串サイズに切り分けたのを想像してもらいたい。これで300円とはお得だね。こりこりとした歯触りを楽しみたいなら、一緒に「うなぎきも焼」も頼むといいよ。こちらも同じ300円だ。

コワモテの大将は宮城出身なんだってな。一見おっかなそうだけど、笑うとチャーミングなんだ。旬には大将の地元で獲れたホヤも品書きに並ぶ。甘く口の中でほどける本場のホヤなんて食べちまったら、やみつきになること間違いなしさ。

ホッピーやサワーに使われているのは、ファンの多いキンミヤ焼酎だ。「金魚ハイ」って知ってるかい? チューハイの中に、赤唐辛子が一本浮かんでるのさ。金魚鉢を泳ぐ金魚みたいだろ? ピリッとした刺激が、また鰻に合うんだよ。

普段置いている日本酒は福島の「会津ほまれ」(300円)。冷酒は「一ノ蔵」と「浦霞」(500円)。こちらの二つは大将の故郷の酒だ。

すっきりとした東北の酒は、鰻の風味を邪魔しなくていいね。その他にも限定の日本酒が置いてある。たとえば冬だったら菊水酒造の濁り酒「五郎八」(500円)。酒蔵から卸される本数が決まっている貴重な酒だ。

今ではこの辺りは立ち飲み屋であふれているが、大将が店を出した十数年前にはまだ5軒くらいしかなかったそうだ。古い店がどんどん消えていくなか、「うなぎ家」が長く残っているのは、焼き鳥や串揚げじゃなくて、めったに見かけない鰻をメインにしたからなんだろうねえ。これからも末永く続いて欲しいよ。

営業時間:[土~月]15:00~23:00、[日]15:00~21:00、第1・3日曜定休
電話:03-3734-0228
住所:東京都大田区西蒲田7-64-6

うなぎ串焼 300円
うなぎきも焼 300円

イイネェ!!セット(飲み物3杯、おまかせのおつまみ2品) 1,280円

金魚ハイ 350円
シークワーサーサワー 350円
生ビール(中) 380円
日本酒 300円
ホッピー 350円

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