河童は…水を綺麗にする精霊とか、人を溺れさせて尻の穴から玉をとるバケモノだとか、子どもたちを川に近寄らせないために大人たちが考えたとか。いろいろな説があるわ。岩手県の遠野という地方では生きることができなかった赤ちゃんの化身といわれているの。遠野では飢饉が何年も続いたことがあって、なくなく生まれてきた赤ちゃんを川に流さなければならないことがあったみたいよ。そんな苦しい状況を少しでも慰めてくれる存在として河童がいたのかもしれない。そんな風だから田舎ではまだ私たちの力が必要とされてたんじゃないかしら。

それに都の人たちだって、当時の政治の圧力に反発するかのように妖怪歌舞伎に興じたり、幕末の不安定な時期には、妖怪のおもちゃがたくさん出回ったりしたわ。私たちに夢中になることで、鬱憤や不安を紛らわせていたんじゃないかしら。妖怪は気晴らしや憂さ晴らし、慰みの役割も担っていたのね。

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