大正13年に運行が開始した熊本市電。その時の面影がよく残っているのが呉服町電停だ。現在、市電の敷石がコンクリートに変えられたところもある中、呉服町は当時と変わらず御影石のまま。付近には市電を走らせるための電気を運ぶ鉄塔も開業当時のまま残されている。

呉服町という地名にも注目したい。この通りに呉服屋が集まっていたからこう呼ばれたもので、辺りには他にも米屋町、古大工町といった地名も残る。これらの地名はなんと、400年以上前から変わっていない。時代の変化の中で改められる町名も多い中、辺り一帯が名前を残しているのは奇跡的だ。昔の記憶をそこかしこに留めたこのエリア、歩いているだけでいつかの街並みが思い浮かんでくる気がする。

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