門司港はレトロな雰囲気に包まれながらグルメを楽しめる街でもある。梅月の宇治金時、きよみ食堂のちゃんらー、芋伝説の焼き芋…いろいろあるが、バナナ叩き売り発祥の地なのだからバナナに関するものを味わいたい。

最近、門司港にバナナジュース専門店ができた。看板娘のてるちゃんは70歳。門司で商店を営む夫との間に息子が7人もいるという。その昔、門司港を元気にしたバナナ叩き売りの人々と、パワフルで明るいてるちゃんが重なる。

時間をかけて寝かせたバナナのいちばんおいしい時期を、てるちゃんは見極める。熟成させたバナナの香りと甘さは、他の店では決して味わえないものだ。砂糖や香料を使っていないと聞いてびっくりした。中に入れているのは、牛乳もしくは豆乳だけだという。

バナナジュースを手に歩くと、門司の新たな魅力が浮かび上がってくるかもしれない。

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