花も、水がなければ育たない

長きにわたってこの地を治めた真田家だが、それができたのは真田家だけの功績ではない。一滴の水が集まって川になるように、優秀な家臣や名もなき人々が、この街の歴史を支えていた。

文武学校は、藩士たちが学問や武道を学んだ場だ。この学校を計画したのは、8代目の藩主。将軍・徳川吉宗のひ孫にあたるエリートで、真田家には養子としてやってきた。松代での人材登用にも積極的で、彼がその才能を見抜いた一人が佐久間象山。勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬など、幕末の志士たちに大きな影響を与えた人物だ。文武学校の設立も、象山の提案だったと言われている。

どんなに素晴らしい花でも、水がなければ育たない。才能と実力のある者がきちんと活躍できるようにするのが彼の願いであり、文武学校の意義だったと言えるだろう。

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