新入社員:
こちらは経済セクション。
妖怪とともに生きてきた昔の人々には物を大切にする心があったといわれています。その心に迫ることで持続可能な社会を作れないか?、その点で研究されているのが、付喪神、物に宿る妖怪です。現代社会において、その代表とも言えるのが、こちらの傘お化けです。
傘お化け:
あー働きすぎじゃ。今までは99年に1回登場すればよかったのに、いまじゃ人がビニール傘を1本1回さしたらすぐに「供養せいー」なんて登場しなきゃならない。1日1本捨てる傘を作っていたら、人も機械もずっと働き続けなきゃならんだろ?機械にも魂はあるんだぞ。。。。
新入社員:
そうですね。人間が99年生きられるかは定かではありませんが、使い捨ての物を作ることが、結果として人間の仕事も、機械の仕事も増やしていることは、盲点だったかもしれません。
顔ぬすびと(かおぬすびと):
まあ働きすぎの人間たちが多いのはね、疲れた人の表情を盗んで生きている私、顔ぬすびととしては、大変活動しやすい世の中ですけどね。でも、私としても、顔を盗み過ぎてちょっとお腹いっぱい。もうしばらく顔はいらないですわ。
地獄福助(じごくふくすけ):
それじゃ。顔ぬすびとのように満たされることが大事じゃ。満たされない人間には、手を焼いている。何か人間たちが満たされるいい方法はないかと日々考えておるのだが。
新入社員:
えーと、地獄福助さん、その心意気は素晴らしいと思うのですが、欲深い人間を全員地獄に送ってしまっては、我々は滅亡してしまいます。そのためにも、我々としては別の発明を探しているところでして。。。
閃ゐ手(ひらめいて):
閃いた!
新入社員:
おお、閃ゐ手さんが光った、閃ゐ手さん、何をです!
閃ゐ手:
閃いた!
新入社員:
だから!何をです?