自然から生まれる色の楽しさを伝えたい

浅草寺から南へ歩いて15分。
蔵前4丁目の国際通りに面しているお店「MAITO 」。
小さなお店の中を覗くと、柔らかな色合いのストールやニット、バッグなどの色鮮やかなアイテムが並ぶ。ここは自然の素材だけを使って染める「草木染め」のお店。


お店の奥を覗くと、工房が見える。
タイミングがよければ、オーナー兼染め師の小室真以人さんがここで染めているかもしれない。様々な染料が棚に並ぶ工房には大きな寸胴が。これは藍染めで使うもの。
藍染めは一度で濃い色を染めるのではない。生地を染料に浸し、しぼり、酸化させる作業を何度も重ねることで濃い色を染めていくことをご存知だろうか。夏の間だけだが、藍を見たことがないという方はお店の前に置いてある植木鉢を観察してみてほしい。ここには藍染めに使う蓼藍がすくすくと育っている。
緑に生い茂る草が藍色に変わる。その経緯を想像してみるのもこのお店だからこその体験。


染め師の小室さんは、実家が草木染め工房を営んでいるため、幼少期から草木染めに触れて育った。染めよりも、ものづくりをしたいという気持ちで、東京藝術大学で工芸を学んだ。

その中で、「自然が好き、色が好き」という思いが改めて芽生え、かつ、草木染めという技法が現代の日本で失われつつあることに危機感を感じた。
そこで彼は決意する。クラフトマンシップの街、蔵前に草木染めを見て感じてもらえるようなアトリエショップを開くことを。
今では毎月草木染めのワークショップを開催し、草木染めを身近に感じてもらえるような活動も行っている。


近頃の蔵前は古くからある地元の工場や職人だけでなく、若手の職人やデザイナーも集まり、
新旧が程よく混ざり合った新しい下町に変化してきている。
「この地で自然の草木などで染めているものの優しさや、天然素材の心地良さ、日本の職人技を多くの人に伝えていきたい。

『MAITO』という店を通じて、その草木染めの文化を守り、より多くの人に発信していきたい」そうワクワクした目で話す小室さん。ここには、ナチュラルな気持ちいい風がいつも吹いている。

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住所:〒111-0051 東京都台東区蔵前4-14-12 1F
TEL:03-3863-1128 
OPEN:11:30 – 18:30 
定休日:月曜日

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